- 「善行」の命令は、各々の物事に応じた種類のものとなる。外面的・内面的義務の遂行における「善行」は、そこにおける義務項目を完全な形でこなしつつ行い、そこにおける推奨項目を完全な形で行うことである。禁じられた物事の放棄における「善行」は、それを表面的にも内面的にもきっぱりと放棄することが、義務的な範囲のものである。定命に対する忍耐における「善行」は、憤りや動揺を伴わない忍耐をすることであり、他者との付き合いにおける「善行」は、アッラーによって定められた彼らの権利を守ることである。また、人々の統治や監督における「善行」の内でも義務的なものが、統治における人々の合法な権利を守ることである。また、生物の内でも命を奪うことが許されているものの命を奪うことにおける「善行」は、最短期間でかつ最も望ましく簡単な方法で、なるべく痛みを感じさせないやり方によって、それを行うことである。
- 僕たちに対するアッラーの慈悲。アッラーは全ての物事に善行を定められたのである。
- アッラーにこそ命令と裁定は属する。預言者は「アッラーは全てにおいて善行を命じられた」と言ったが、この命令は定めであると同時に、アッラーがお望みになることである。
- 善行は全てのものを包含する。「アッラーは全てにおいて善行を命じられた」という言葉通り、全ての物事において善行を行うことが可能なのである。
- 預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)の、具体例を用いた教授法の秀逸さ。「殺生する時には・・・」「屠殺する時にも・・・」といった例を挙げることは、意味を明瞭にする。
- 殺生する時の善行の義務。これは殺生そのものの行為ではなく、「殺生の仕方」という状態における善行のことである。
- 合法なやり方で屠殺することは、屠殺における善行である。
- 生き物を(射撃などの)標的にしたり、飲食物も与えずに幽閉して飢餓状態に陥らせたりすることで苦痛を与えることは、禁じられている。
- イスラームの教えの完全性。その中にはあらゆる善が含まれているが、生き物に対する慈悲の念ややさしさもその内の一つである。